さとうのちんたらブログ

刀剣乱舞が好き。2次にも2.5次にも3次にも推しがいる。本丸と現実の狭間をウロウロしている。

5Gハムレット 5Guys Shakespeare Act1:[HAMLET] ~審神者の感想(卒論級質量編)~

 

 

つ、つる、つるまる・・・・

 

 

鶴丸「なんだ?どうした、主」

審神者「つ、つ、鶴丸にそっくりな人がね・・・・」

鶴丸「おっ、そいつはだいぶイケメンなんだろうなあ」

審神者「ちょっと黙ってほしい」

 

審神者ハムレットハムレット・・・(うろうろ)」

鶴丸「え、怖」

審神者ハムレットハムレットー!!(すがりつく)」

鶴丸「怖ー!!」

 

審神者「ホレイショー、ホレイショー・・・(うろうろ)」

豊前「呼んだか?」

審神者「ひえー!!!(ひっくりかえる)」

鶴丸「きみ、なんで来たんだ?」

豊前「・・・???良くわからないが、呼ばれた気がした」

 

 

 

ということで、

5Guys Shakespeare Act1:[HAMLET]

配信を見ました。

 

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5Guys Shakespeare Act1:[HAMLET] (5Gハムレット) 

 

 

これは、凄い。

 

ミュージカルとして完成度が非常に高い。

 

歌、演技、演出、曲、小道具、メイク、ライティング、、、

全てに意味があり、全てがハイクオリティ。

 

素晴らしいミュージカル。

 

 

鶴丸「おっと、ここからは驚きの真実が目白押しだぜ?」

豊前「ネタバレしたくない主たちは、風にのって去ってくれよ」

 

審神者「あとねえ、超、超長いです。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【役者さんと個人的に印象が強かった役】

 

岡宮来夢

《イメージ:ハムレット

いや、主役だから。

唯一、主役の彼はハムレットしか演じていません。

そして、2時間ずっっと演じっぱなし。

登場シーンではない場面、普通の舞台なら袖へはける場面でも、舞台真後ろの椅子に腰かけています。

2時間、一瞬の隙もなく「ハムレット」です。

一瞬たりとも目を離したくなくなります。

正気と狂気の狭間を表現するのが、とても上手い。

彼のハムレットの慟哭は鬼気迫っていて、精神にくる。

鳥肌が立ちます。

 

 ★立花裕大

《イメージ①:ホレイショー》 

ホレイショーのイメージが強い。

とても誠実で忠実な部下で友人想いな、ハムレットの親友であり同志であるホレイショー。

一番安心と信頼感と明確な意思を感じるホレイショー。

彼のホレイショーのときが、一番ハムレットが正気な気がする。

 

《イメージ②:ギルデンスターン》

意外とギルデンスターンも良い。

凄い下僕感が出ている。

クローディアスの悪だくみに、ある意味嬉々として乗っているが、

見切れるときに「え・・・」みたいな表情をしているのが。

 

《イメージ③:クローディアス》

彼がクローディアスを演じると、あたかもクローディアスが良い人そうに見える。

そのようにクローディアスが見えたほうが良いときに、立花さんがクローディアスを演じている。

 

★橋本真一

《イメージ①:レアティーズ》

どうしてもレアティーズは外せないでしょう!

とても妹思いで、とても苛烈な兄。彼も相当な悲劇の主人公・・・

殺陣も憎悪がある感じで、相当の激しさでかかってくる。

 

《 イメージ②:オフィーリア》

橋本さんのオフィーリアは、儚く可憐で純情で貞淑を具現化したようなオフィーリア。

ハムレットからあれだけ激しく拒絶された後の「私がなんとかしなくちゃ」

崩れ落ちそうなギリギリのラインの演技してくれていて・・・・

泣いちゃう!!

 

《イメージ③:クローディアス》

クローディアスもいい・・・

冷酷非情な面が良くわかるクローディアス。

頭の切れるクローディアス。

表情も、ちょっと口の端を上げるところとか最高。

この方は表情の使い方がとても上手い。

目線の送り方とか笑顔とかと口の端を上げ方とか。

 

 

★法月康平

どっちも狂っている時の女性なのよね・・・

 

《イメージ①:ガートルード》

彼のガートルードは、オフィーリアが渡す花言葉そのまま。

後悔・不実。

プラス妖艶。

ガートルードの「母」の部分よりも「女」の部分がよりはっきりしている。

え、本当に男性が演じてる?ってなる。

 

《イメージ②:オフィーリア》

オフィーリアはもう狂ってる・・・

橋本さんのオフィーリアとは全く違う。

純真無垢な少女が、そのまま狂ったみたいな感じになる。

花の歌を歌っている最中、あのミレーの美しい絵画が頭をよぎります。

 

中村誠治郎

イメージとりあえず2つつけましたが、

どの役をやっても全く違和感ない。

セリフも表情も自然。

どの役も中村さんが演じたものは、

すぐ思い出せるくらいに印象的な演技をします。

 

《イメージ:①クローディアス》

彼のクローディアスは、王道な悪役。The悪役。まっとうな悪役。

狡猾で小心者で野心家なクローディアス。

彼なら、憎める。

懺悔していても、その悪は拭えないくらいの悪役を全うしてくれている。

 

《イメージ②:ガートルード》

これはびっくりしたんだけど、ガートルードもとても印象的。

オフィーリアの花の歌に、花言葉の歌をはさんでくるところ、

悲しみが歌ににじんでいて、本当に印象的だった。

お顔立ちが決して女性的ではないのに、弱さを感じさせる女性にしか見えない・・・

 

 

 

【オープニング】

これからのミュージカルの幕開けにふさわしいオープニング。

そして、何も知らずに聞くのと、

2回目以降に聞くのと、思い入れが違う。

1回見てから、オープニングを見直すと、

このオープニングがある意味、ラストシーンとも言える気がする・・・

それくらい、全編通してのテーマがつまったオープニング。 

ここにすべてが示されている。

 

 

 

【復讐せよ①】

ハムレットが初めて父の亡霊を見るシーン。

ここはまだハムレットの中でも恐れが強かったのでは。

このシーンからハムレットが狂気に染まっていくのが明らかにわかる。

気性は多少激しくとも、基本的には聡明な王子というハムレットだったのに・・・

父が幽霊にせよ、幻覚にせよ、正気だけどもはやどこか狂っている・・・

ここでホレイショーが止めていたら、まったく違う物語になっていそう。

 

そして、この曲よ・・・

こんなに鮮烈な印象を観客に植え付ける曲あります!?

見た人全員(といってもいいのでは)が、頭から離れなくなっている。

いや、かくいう私もなんですけども・・・

 

「復讐せよ・・・復讐せよ・・・」

これを父3人で歌うというのも演出の妙だと思う。

1人でも良かっただろうに。

3人であることにより、ハムレットの逃げ場を奪い、畳みかける・・・

3人の声が重なるパワーは凄い。

そしてぴったり合っているけれど、声の質が違うから反響するよう・・・

その圧で「復讐せよ」と、滔々と説かれたら、そりゃハムレットもおかしくなるよな。

最後のハムレットの表情、もはや正気ではない・・・

 

 

 

【オフィーリアへの決別】

ハムレット、なんという・・・

自分へ刃物を突き立てるようなセリフ回し・・・

そして、オフィーリアへの決別の言葉を述べながら、

レアティーズの体をなぞる手つき、見ました???

いやらしすぎない程度のエロティック・・・

天才か?

そして、レアティーズに話すとき、配信で顔が映っている最中は、

まったくまばたきしていない。

それがより軽薄な感じを醸し出している。

 

レアティーズへ伝言を頼んだ後の表情よ・・・

まだ心が揺れているような感じに見える。

というか、オフィーリアに直接言いたくなかったから、

レアティーズに言ったんだろうな・・・

レアティーズがそのことをオフィーリアに伝える際、

後ろに映り込むハムレットの表情・・・

これ以降、オフィーリアがいる舞台を見るときのハムレットの表情って、

悲しみと絶望に覆われているんだよね・・・

 

 

 

【影絵の演劇】

シンプルに見事な影絵。

そして、クローディアスとガートルードの様子をうかがうハムレットの目線の強さよ・・・

憎しみとも蔑みともとれるような。

ギラギラした目で見ている。

何より笑顔が怖いんだよ、ハムレット・・・

影絵が毒を飲ませる動きをする直前にクローディアスのほうを見るのだが、

クローディアスの罪を確信したような、忌むべきものを見るような表情をしている。

 

 

 

【クローディアスの懺悔と復讐せよ②】

この時点では、たぶんまだハムレットは迷っているのでは・・・?

でなければ、懺悔してようと何してようと間髪入れず殺しそう。

クローディアスもそう分析しているし。

どうしようもない悪党の姿である時でないと、覚悟がつかない、ということなのではないか・・・

 

しかしそこで、畳みかけるように父の「復讐せよ」。

まだ父の声に苦しんでいる様子のあるハムレット

それをハムレットが歩くたびに、父が回り込んで逃がさないんだよね。

ハムレットが「復讐だ」っていうときの表情。

これを狂気の顔といわず何と言う?

 

 

 

ハムレットとオフィーリアの別れ】

舞台にいないはずのハムレットの前での演技だが、後ろのハムレットがものすごく葛藤している。

オフィーリアを見るのがつらいというように、目線を向けなかったり、オフィーリアの言葉にはっとするような表情をして立ち上がったり。

ハムレットにとってオフィーリアとは、この世界に留まるための光であり安楽なのだな・・・

 

「尼寺へ行け」

僕を照らしてしまう光、僕の前から消えてくれ、愛したことなどない、尼寺へ行け、誰一人信じるな、こんなところから離れろ、バカと結婚しろ、誰とも結婚などするな、、、

ある意味、全てがちぐはぐで、全てが一貫している。

どうしてもオフィーリアを愛していて、自分に関わらせたくないし、自分から心が離れてほしくない。

そこからの壁ドン・・・・

こんな怖くて心が切られそうな壁ドンがあるかよ。

そして、ここで、「私がなんとかしなくちゃ」って言えるオフィーリアの儚い強さよ・・・

 

 

 

ハムレットと母ガートルードの確執と最後の復讐せよ③】

ハムレットにとって、ガートルードは母であり女なんだな。

おそらく父といたときのガートルードは、オフィーリアに似てたんだろう・・・

きっと、ハムレットにとっての理想だったのでは?

そして、一番身近な女。

ちなみに、ガートルード、ハムレットを後ろから抱きしめる時に、

あえて服の中に手入れてるからね。

これ見たとき、本当にぞわぞわした。

 

剣を鏡として使うって、ハムレットの発想が恐ろしい。

母から「殺す気?」と言われたとき、はっとしているが、

もはや狂気の中だったのか?

 

そして、ボローニアスの殺し方がものすごく残虐。

何度も突き刺し、ねじり切り、切り捨てる。

そんなにもクローディアスが憎かったのか、ハムレットよ・・・

そして、殺してしまったのがボローニアスと気づいた時の絶望たるや・・・

行動が意思を決定し、というよりかは、

もはや後戻りできないところに来てしまったという・・・

その直後に、父を見たときに完全に狂ってしまったのだ・・・

 

今までの「復讐せよ」では序盤逃げていたが、もはや、父への恐れがないのか逃げようとしていない・・・

本当に何を見て笑ってるんだ、ハムレット・・・

 

「父上、何か御用ですか」の後からの表情が、完全にタガが外れた人の顔。

「僕は狂っていない」って、狂っている人が言う言葉だよ・・・

死体の上で笑いながらゴロゴロとか恐怖でしかない。

そして、この「復讐せよ」、父から言われてではなく、

とうとうハムレット自身が初めて自分から「復讐せよ」って歌い始めるのだ・・・

父はもはやユニゾンしかしてないのだ・・・

 

ガートルードは恐怖のどん底だっただろうな。

ガートルードを引き倒し押さえつけて、なまめかしく背中を這い、そのまま母の手を握るハムレットの手・・・

母を慈しむような、女を撫でるような、なんとも言えない手つき・・・

そして、「おやすみなさい母上」ってどういう意味が込められているの・・・

このシーンが最も狂気が激しい・・・

 

 

 

【イギリスへの出航】

ローゼンクランツの「巻き込まないでいただきたい」と、

真の友であるホレイショーの「巻き込んでいいんです」。

真逆。

あまりにも対照的な一言。

 

 

 

【オフィーリアの花】

オフィーリア、狂気の中で花を渡していく・・・

何もかもわかってしまったが故の狂気か。

というか、わかってなければあの花は渡せないよね。

兄に渡した、思い出の花言葉を持つ花・・・なぜ兄は思い出・・・?

 

中村さんがガートルード演じているのはここだけだけど、

花言葉の歌が非常に印象的・・・悲しみがにじむ声。

弱弱しく悲しい女・・・

彼女の歌と独白で、ミレーのあの美しく悲しい絵画が思い浮かぶ・・・・

 

オフィーリアからのローズマリーを静かに見つめるハムレット

思い出をなぞっているのか、

覚悟を決めているのか・・・

 

 

【狂気の中の父と正気の中のホレイショー】

 「復讐せよ」の歌もそうだけど、この3人の父からの声は大きな負のパワーがある・・・

特に最後のセリフとしての「復讐せよ」

3人の声質が違うのか、ぴったり合っているのに、反響するように響く。

おそらくハムレットの脳内では、この声が四六時中聞こえていたんだろうな・・・

そりゃ、ハムレットも狂うよ・・・

 

それを引き戻し、正気にとどめているのが、ホレイショーの存在なのでは。

ホレイショーだけが、ハムレットの正気だった・・・

 

しかし最後に、父は服を脱いで捨てている・・・

父はもういない・・・?

すでにハムレットの自問自答ということ・・・?

 

 

 

【終幕への一幕】

4人が服を投げ捨てていく。

4人が入れ替わり立ち代わり役を演じるこの舞台では、

衣装=役・生者、であり、

衣装を脱いで舞台から去る=死・終幕なのよね。

最後の一幕に入る前に、演じる者以外の服はすべてが投げ捨てられる。

 

本当に考えられた演出だと思う。

トルソーがなにも着ていないということは、

この部屋にこの5人以外は誰もいないのね・・・

 

 

 

【終焉への決闘】

他人の体を通して改めて見る自分の姿・・・

クローディアスも同じことで自分の罪を自覚するのよね。

ハムレットもレアティーズを見ることで、自分を見つめた・・・

ハムレットとレアティーズが這いつくばって、お互いに歩み寄るところ、

お互いに祈りを述べている・・・

その祈りは誰がどこに届けてくれるのか・・・?

 

最後にハムレットが観客に問いかけるところ、

我々も役目があったのか・・・と、はっとさせられる問いかけだった。

我々観客が観客であることの役割に気付くっていう・・・

ハムレットのそのセリフで、我々を観客たらしめている。

 

そして我々は、「語り継ぐ」という部分では、ホレイショーだったのかもしれない。

 

ハムレットの最後のセリフ、「あとは、沈黙」

以降、誰も何も話さず終わる。

もちろん我々観客も。そういう役割だから。

生き残ったホレイショーの服だけがトルソーにかけられる・・・

 

 

 

ハムレットとホレイショー】

殿下に忠誠を尽くす者であり、どこまでも友。

初めてホレイショーが登場した時、この舞台中でハムレットが唯一嬉しそうな顔をする。

 

決闘裁判の審判を申し出たのも、何かしらで「巻き込まれたかった」からではないか?

ホレイショーといるときは、ハムレットは正気なのよね。

ある意味、ハムレットをこの世に、正気にとどめていてくれているのはホレイショーの存在なんだろう。

もしかすると、オフィーリア以上に。

 

そして、我々観客の代弁者でもあるのではないかと思っている。

見ているという役目は楽なようで実に胸が締め付けられる・・・というところも、

我々観客のことも指しているよね。

 

 

 

ハムレットとレアティーズ】

多分、何事もなければ2人はとても良い友人だったんだろう。

激しい気性、誠実で、優しく、深く人を愛し、狂う要素を持っている似た者同士。

父を亡くした際、レアティーズはハムレットのことを本当に心配している。

本来、お互い尊敬しているんだろう。

だからこそ、憎しみも大きくなったのか。 

 

 

 

【演出】

ミュージカルとして、相当見ごたえがある舞台だと思う。
 
先に書いたが、本当に演出が素晴らしい。
死の演出もとても工夫されてるし、メイクも非常に効果的。
 
俳優陣が舞台に立ち通しなのも驚く。
来夢くん、2時間ほぼ姿が見えなくなることがない…
ハムレットのシーンじゃなくても、演技し通しなんだよ…
他の登場人物のシーン中に見切れで映っているが、ぞっとするような表情をしている。
ギラギラした目で見つめていたり、人形のように生気がなかったり、
辛そうに視線をそらしていたり・・・
2時間ずっとハムレットなのだ。
 
俳優陣は相当に神経を使う舞台だと思う…
でもこの演出は、もう最高です…
それぞれの俳優の定点カメラがあっても、間違いなく見応えあると思う。
きっと全員、隙なく演技しているだろう・・・
 
そして、役者はたったの5名。
主役のハムレット岡宮来夢で固定だが、その他の役はすべてシャッフル。
1人2役くらいまでは想像がつくが、
それぞれ5役は演じ分けている。
5役って!
 
そして、同一人物を演じていても、それぞれの演じ方に特徴がある。
例えば、中村クロは正当な悪役、橋本クロは冷酷、立花クロはいい人風。
みたいな。
そして、そのシーンで一番ぴったりくる役者を当てている。
本当に見事。
これ、最初から役当ててたんだろうか。
それとも、一通り全員に演じさせて、そのシーンで使う役者を決めたんだろうか。
前者にせよ後者にせよ、監督も役者陣もすごすぎるでしょう・・・
 
そして、 「役者」「役割」「舞台」等、演じることについての言及が非常に多い。
今まさに「ハムレット」を演じているあなたたちが演じることについて語るのは、とても不思議な感じがする。
また、様々な部分で、セリフと演出がリンクしている。
そして、そのセリフと演出で、観客を観客たらしめている。
 
死の演出も粋。
水の落ちる音と共に、衣装を舞台に落とすことが死の表現・・・
本当に美しい死・・・
それでいて、役者たちが舞台上からいなくなっても、自然な演出。
とても考えられている。
 
そしてこのミュージカル、曲の後拍手がない。
(あ、ミュージカルじゃなくて、あくまで舞台なのかな・・・)
でも、拍手がないおかげで、物語が途切れない。
次のシーンへのつながりがとてもスムーズで、入り込みやすいと思う。
 
そして、全てを魅せる舞台。
衣装替えも舞台上。
袖水も舞台上。
待機も舞台上。
小道具も舞台上。
ほぼ誰も舞台から降りることはない。
登場シーンでなくても、舞台上にいる。
そのすべてが演出。
 
乾杯の仕草で水分をとり、舞台上の椅子で他の役者の芝居を「役」として見ながら次の出番を待つ。
衣装を羽織る仕草も演出の一つだし、小道具を下げるのも一つの芝居。
舞台上で行われるすべてが演出であり、
全てを見せて(魅せて)いる。
これは本当に見事だし、これ以上の舞台があるだろうか、と思うくらい素晴らしいと感じている。
 
 
 

【メイク】

特にハムレットのアイメイク。

はじめは、どういうメイク???と思ったが・・・

演技次第でいかようにでも見えるメイクだった。

憔悴にも、眼光の強さにも、狂気にも、疲れにも、涙にも・・・

あと、来夢くん元の顔がどちらかというと可愛い系だから、

あれくらいアクの強いメイクしないと、演技と役に負けるかも。

 

他の4人のメイクもとても不思議・・・

美しい女性にも、凛々しい男性にもなれる。

特に中村さん以外の3人は、はっきりとしたチークとリップなのに、

女性を演じれば美しく見えるし、男性を演じれば端正に見える。

 

 

 

【曲】

「復讐せよ」

舞台序盤は、3人の父がハムレットに命じるように、洗脳するように歌う。

それに怯えつつも、応えるようにハムレットが歌うのだが。

しかし、終盤に向かうにしたがって、ハムレットも積極的に歌いだす。

最後は、とうとう初めて自ら「復讐せよ」のフレーズを歌う・・・

それがどんどん狂気に飲まれていくハムレットを表しているようで・・・

 

そして、色々な歌のベースとなっている。

クローディアスの独白の歌も、おやすみなさい母上の歌も、ベースが「復讐せよ」

だから、どうにもこうにも強い印象が残る。

ううぅ・・・観客も洗脳されてる・・・

あ、父からというよりかは、ハムレットに洗脳されてるのかしら・・・

 

その他の曲もいいよ!

クローディアスの独白の曲もいいし。

ローゼンクランツとギルデンスターンの曲もいいよ!

なんでかませ犬たちにこんなカッコイイ曲?

ってくらいカッコイイ。

 

怖い曲や物悲しい曲も多いんだけどね。

が、中毒性が半端ない。

…復讐せよ…復讐せよ…おやすみなさい母上…

これは・・・CDは出るんですか・・・

 
 
 

【歌】

もう、なんの文句もない。
全員歌が上手い。
歌唱力の安定感が半端ない・・・
だからこそ、一つ一つの歌が印象深い。
 
岡宮来夢の、慟哭しながらの歌は圧巻。
ほぼ叫びなのに、なぜその声にメロディーがあんなに鮮やかにのるのだ・・・
 
 
 
 
***************************************
 
 
 
非常に完成度の高いミュージカルだった・・・
 
 
 

1日一回、7回位見たけど、7回とも面白い・・・

というか、目を離せない・・・

 

 

 

ここからは、(というか、ここからも)

岡宮来夢くんと「5Gハムレット」への、

オタクの念仏です。

総括すると、尊い尊い言っているだけです。

愛を、愛を唱えさせてくれ・・・

 

 

 

岡宮来夢くん、

ポテンシャルが凄すぎて、いっそ怖い…
と、舞台開始序盤の20分で思ったけど、
本当にヤバいよ?
 
彼は刀剣乱舞ミュージカルの鶴丸国永役もしているのだが、
「ミュ鶴がどうなるのかしら〜」とか思って見たらダメよ。
いい意味で、本当にミュ鶴のかけらもないから。
 
え、本当に同じ人が演じてる??私たち、何を見ているの???
え、イリュージョン???って感覚になるから。
あ、ミュ鶴と同じところといえば、歌が上手い、くらい。
ここまで化けるのか、演じ分けるのか、岡宮来夢・・・
怖。
 
 
まず、演技。
あんなにMAXに狂気って演じられるのか…
もはやそこから降りてこられなくなりそうだけど、
聡明な王子の演技もきっちりとするからね。
役の中での振り幅も相当なものだよ・・・
途中、鳥肌立ちっぱなしのところがあったよ…
もはや怖いくらいの迫力だが、目を離せない。
 
 
 あと思ったのは、役柄のせいかはわからないけど、
イケメンをくずしても演技するんだな、この人。
 
他の方は顔をくずさないんだよね。
ぎりぎりイケメンのラインを保ってる。
(・・・というか、もともとがバッチバチのイケメンだから、顔がくずれてもイケメンになっちゃうのかもしれないけどな・・・)
あと、法月さんもイケメンをくずすときある。
オフィーリアはさておき、ガートルードは結構くるものがある。
だから狂気の演技をするところは、あの2人がメインにくることになったのかしら・・・
 
 
来夢くん、狂気に次ぐ狂気の演技の応酬で、戻ってこれるのかー・・・!?
と思ったけど、カーテンコールは岡宮来夢(かわいいver.)だったので、
かわいい・・・となる。ギャップ・・・
 
 
彼はきっと舞台俳優なんだろうな。
テレビに彼の魅力は収まるか???

 

 

そして、岡宮来夢くんの声は、本当にヤバい・・・

セリフのときもそうだが、特に歌のとき、
口だけじゃなくて、身体全体を使って響かせている感じ・・・
なんか、こう、パイプオルガンというか・・・(でかすぎ…?)
会場全体に、力強く響き渡る感じ・・・
そして、とてもあたたかみのある声。
とがったところがないというか。
絶対に喉からの発声じゃない。
個人的なことを言うと、とてもとても好みな声の出し方・・・ 
本当に歌が上手。
 
 
みんなと歌っていても、どの声かすぐにわかる。
1人だけ違うこと歌っていてもすぐわかる・・・
え、彼のマイクだけ音量設定間違えた?くらいの・・・
 
婚礼の宴の最中に父を追いかけようとして、ホレイショーともみ合うときの
「偽っているとすれば(だっけ?)」
声が会場におさまりきらないくらい響いていると思う・・・
 
 
あと、来夢くん、このハムレットという役をいただけて良かったね…
本人の容姿のイメージから、「かわいい」ってイメージだけがつかなくて、
本当に良かったのではないかと思う。
(いや、かわいいんだけど!すっごくかわいいんだけども!!)
きっと、役者としてどんな幅があるのか見られている時期だと思うので・・・
 
 
劇中のハムレットのセリフで「僕の運命が呼んでいる」って言っていたけど、
・・・岡宮来夢という俳優の運命が、ハムレットの役を呼んだようで、私はぞっとしたよ・・・
 
 
来夢くんが、4人サイド(クロ・ガート・ホレ・オフィ)のハムレットも見てみたい。
彼の演じるハムレット殿下、めちゃくちゃ良かったけど、
彼がオフィーリアを演じたら?とか考えてみて?
やばくない?見たくない?
ガートルードの狂気もヤバいと思うよ。
ホレイショーの誠実さをどう表現してくれるのか?
来夢くんのガチ悪役のクローディアスとか、新しい扉が開きそう(こっち側の)
オフィーリアとか、もう儚さすぎてみていられないかもしれない・・・
という感じで、4人サイドでも、相当輝きそうだと思う。
 
 
というか、正直4人サイドのファンはかなりぐっとくる構成だったと思う。
ある意味、もしかしたら主役以上に見応えがあったかも。
様々な役を堪能することができたのではないだろうか。
そして、カーテンコールで来夢くん本人が言ってたけど、
4人は岡宮来夢を立てる演技をしてくれている気がした。
 
 
そして岡宮ファンは、次回に期待できるしね!
あ、5人が代わる代わる固定の主役を務めて、他の4人が今回のようにわき役を務めるのはどうですか???
そうすると、Act5までは間違いなくいけるよ!
み、見たすぎる・・・
そうでなくても、今回はAct1だったから。
きっと次作の構想が出来ていると信じている・・・
 
 
あと、みんな顔がいいね!
全員イケメン!
目の保養!
ぶっちゃけ、みんな来夢くんより顔濃いめのイケメンでは・・・

かつ、絶世の美女だから!

立花さんのガートルードとか美女よ、美女。

橋本さんのオフィーリアは美少女・・・・

本当に女性に見える・・・

 

そして、特に立花さんが好みでね!
いやー、イケメンだわぁ。好みだわぁ。と思って見てたら、
刀ミュの豊前江だった。
ひっくりかえった。
そりゃあ、歌も顔もいいわ・・・
 
 
というか、岡宮来夢の顔、濃くはないんだよね。
整ったしょうゆ顔。(塩でもソースでもない)
それが、本当に化粧映えする・・・
もとの顔が整っていて派手じゃないから(褒めてる)、
メイクの邪魔をしないんだよね。
あと、顔が小さい。
 
 
ワンシーンしか出てこないけど、殺陣もすごかった。
岡宮ハムレットと橋本レアティーズ。
非常に舞台上で見栄えのする殺陣です。
とても大胆で、振りも大きめなんだけど、とにかくキレがある。
「ぐあっ、か、かっこいい・・・!!」ってなります。
意外な必見ポイントだと思っている。
これを見ると、彼らが他に殺陣をやる役で出ている舞台を見たくなること
間違いなし。 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

 

最初、見る気なかったんだが、本当に見て良かった。
我々はとんでもないものを見せられている…
圧倒されるとはこういうこと!っていう、全編。

 

 

おそらくほぼ一日一回以上、7回は見たが、何度見ても飽きることがない。

圧倒される。

目を奪われる。

でも、ようやくここにきて彼らの心情にまで目が行くようになった。

というか、いままでは演技と演出に圧倒されすぎて・・・

この段階にきて、ようやく感情移入して泣きそうだけど。

っていうタイミングで配信終わるんだけど・・・

え、マジか・・・

 

これ、上演期間短すぎでは・・・?
この完成度の演劇をこの期間だけしか見られないなんて!
なんてこと!
もっと長く公演してもらって、
その中で、リアルタイムでブラッシュアップされていくところも見てみたい・・・
でもでも、千秋楽しか見てないけど、すごい完成度なんだけどさ・・・
えー!もっと長くやってー!?
 

ある意味、これを配信で見ることができるのは良い時代よね・・・

多分、劇場に見に行っても遠くの席だったら、

手の滑らせ方とか、視線の切り方とか、揺れる表情とか、見えないから。

それをつぶさに見ることができるのは、配信の特権だと思う。

役者の皆さんは本当に素晴らしい演技をしているのが、本当に良くわかると思う。

でも、我儘を言うならば。

全体も見たい・・・

あと、全員の定点カメラが欲しい・・・

 

 

 

 

 

あぁ、配信が終わった。

終わってしまった。

1日1回は見てたのに・・・ええ・・・完全にロス。

何気にはじめてかもしれない、はまったものを見ることができなくなるの・・・

刀ミュにはまったのが、2019のGW無料配信の時だったから、

見ようと思ったら、DMMやDVDでいくらでも見ることができたんだよね。

 

でも、5Gハムレットは今終わったばかり・・・

え、円盤は6か月後くらいでしょ・・・?

歌のCDとか配信もでるかどうかすらわからないでしょ・・・?

どうするの、その間。

復讐せよ~が聞きたくなったら、私はどうすればいいんだ・・・

 

鶴丸「俺が歌うか?」

審神者「やめて、審神者死んじゃう。

豊前「じゃあ、俺か?」

審神者「やめて、新たな闇を生まないで。

 

鶴丸「てか、きみ・・・約1万2000字って。本気で驚いたぜ・・・・」

豊前「それ、あきれてるって言わないか?」

審神者「いや、つまりは『好き』だから。『好き』という言葉を違う言葉で、ちょっとポエミーに言っただけだから」

鶴丸「え?」

審神者「だってさ、『好き好き好き好き・・・』って1万文字分書くのと同じよ?」

豊前「え??」

審神者「5千回分の『好き』だからね?」

豊前「重・・・」

鶴丸「いやあ、驚いた・・・」

 

 

 

いやあ、私も驚いた・・・

すごい文字数になっちゃったよ・・・

えーと、卒論かな????

 

 

 

to beほにゃらら・・・

 

 

って、続いたらびっくりだけども。

 

 

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2021.3.26追記。。。

 

5GハムレットのDVDのご予約は、3月31日(水)まで!

 

まだ!

まだ間に合う!!

www.hmv.co.jp

 

お前はどこの回し者だ、ってくらい褒めちぎってますが、

本当に見ごたえがあってオススメですよ。

 

刀剣乱舞ミュージカルで、

鶴丸国永に沼の深淵までドはまりした審神者各位、

豊前江に初恋を颯爽とかっさらわれた審神者各位、

岡宮来夢立花裕大の新たなる魅力に溺れて魂奪われてみませんか!?!?

 

(とんでもねぇ煽りの〆)